「ワイン概論②」では以下の内容を学んでいきます。
「ワイン概論②」で扱う主な内容
・【Point1】ブドウの生物学上の分類
・【Point2】ブドウの生育と栽培サイクル、仕立て方
・【Point3】ブドウの病虫害について
【最終チェック!】ワイン概論②の「SASAKI’sEYES」
=「ワイン概論②」で扱う主な内容=

・ブドウの分類
・ブドウの生育サイクル、栽培作業
・ブドウの栽培方法、仕立て方
・ブドウ品種の選抜・交雑
・有機農業、有機ワイン、ビオディナミ
・ブドウの生理障害、病虫害
今回は主に以下の3点について触れていきます。
・【Point1】ブドウの生物学上の分類
・【Point2】ブドウの生育と栽培サイクル、仕立て方
・【Point3】ブドウの病虫害について
試験は「2割が理解、8割は暗記」と言われていますが、上記3つのポイントは暗記ではなくしっかりと理解する必要があります。
これらは試験範囲の全分野に関わってくる主軸となるテーマで、理解さえすれば得点がとれるようになっているため、確実に満点を狙いたいところ。
つまり試験勉強のなかでも最重要のランクになります。
強引な暗記に頼らず、しっかりと頭で理解する事が大切です。
・【Point1】ブドウの生物学上の分類
ブドウは、ブドウ科ブドウ属の冬季落葉性のつる性植物。
生物学上の分類とは、「〜科〜属〜種」の意味。品種ではないことに注意しましょう。
欧・中東系種、北米系種、東アジア系種と多くの種があり、原産地域によって性質が異なります。
属種と特徴
●Vitis vinifera(ヴィティス・ヴィニフェラ)欧・中東系種
ワイン醸造に適すが、フィロキセラ耐性をほぼ持たない。乾燥した地域に適応。
●Vitis labrusca(ヴィティス・ラブルスカ)北米系種
湿った気候に適応し、耐病性が高いのが特徴。
Foxy flavorという独特な香りを放つ
●Vitis amurensis(ヴィティス・アムレンシス)アジア系種
東アジアを中心に自生している
●Vitis Coignetiae(ヴィティス・コワニティ)アジア系種
日本に自生している山ブドウを指す
「交配」「交雑」の違い
交配…同じ種をかけあわせた品種
例 カベルネ・フラン×ソーヴィニヨン=カベルネ・ソーヴィニヨン
交雑…異なる種を掛け合わせた品種
例 ベーリー×マスカット・ハンブルグ=マスカット・ベーリーA
ブドウの断面図

・【Point2】ブドウの生育と栽培サイクル
ブドウはつる性の多年生植物で、生育地の気候に合わせた生育サイクルを持ち、(北半球と南半球では逆)一般的には10度程度になると地上樹部の活動がはじまります。
ブドウの栽培方法で覚えるべき「仕立て方」は4種類
●垣根仕立て
長梢剪定と短梢剪定に分けられる。ボルドーやブルゴーニュを中心にドイツやイタリアなど、世界中で広く実施されている仕立て方。
●棒仕立て(Moselモーゼル)
栽培者が畑を上下左右動きやすいようにハート型の形に成形されているため、急斜面での栽培に適している。ドイツのモーゼルやフランス北ローヌで見られる。
●株仕立て(Gobletゴブレ)
南フランスやスペイン、ポルトガルなどの乾燥地で多く見受けられる仕立て方。
●棚仕立て(Pergolaペルゴラ)
生食用のブドウに使われる。降雨量の多い日本や日射量の多いイタリアなど。
・【Point3】ブドウの病虫害
●カビによるもの4つ
ベト病、ウドンコ病、晩腐病、灰色カビ病
●ウィルスによるもの
ウィルス病
●病虫害
フィロキセラ
●生理障害
花ぶるい、ミルランダージュ
※「病名と症状、対処法」を3点セットで覚えるべし。
【最終チェック!】ワイン概論②の「SASAKI’sEYES」
ワイン概論②では以下のポイントをおさえて勉強していきましょう。

・生物学上の分類とは、「〜科〜属〜種」の意味。品種ではないことに注意する ・ブドウの芽が出るのは1日の平均気温が10℃を超えた頃。桜の開花時期は15℃を超えた頃なので、ブドウの萌芽は桜の開花のだいたい15日前 ・7~8月の色づき期を境にして、「成長」から「生殖」へとエネルギーを向けるようになる ・手摘みと機械収獲のメリット・デメリットは表裏一体であり、手摘みが常に優れているという見解は間違い ・仕立て方はイラストを見た瞬間にすぐに答えられるようになること。実際の試験では教本のイラストをベースに出題される。 ・棒仕立ては長梢剪定を垣根にせずに、「ハート型」に括っている仕立て方。 ・棚栽培を用いる理由は場所によって違う →日本では湿気から守るため →イタリアでは強い日差しから守るため ・カビが原因となっている4つの病害は「病名と症状、対処法」を3点セットで覚えるべし。ベト病とウドンコ病がとても似ているので気をつける ・ボトリティス・シネレア菌は「完熟果」につくか「未熟果」につくかで明暗が分かれる。完熟果につくと極上の甘口ワイン「貴腐ワイン」の原料になる
【次回講義】
次回は第3回「ワイン概論③ブドウの醸造」です。
醸造方法や発酵について学んでいきます。
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