ソムリエ三次試験は、資格試験の最終段階です。この試験は、一次試験と二次試験に合格した受験者が受けることができ、「論述試験」は二次試験の日に受験し、合否は「サービス実技」と合わせた得点で審査されます。
ここでは2024年度に三次試験対策を開講している講座をご紹介します。二次試験の講座では様々なスタイルで対策講座を開講しているワインスクールがありますが、三次試験に至っては数少なく、一括りでまとめた内容がほとんどです。
その中でも開校日やカリキュラムの内容・価格などをまとめてみました。試験の最終段階である三次試験に向けて、どの講座が簡潔に合格できるかを見比べ、対策の参考にしてみてください。
①ソムリエ【三次試験】の実施日と試験内容と合格率
2024年度の三次試験は11月18日(月)となっており、全国15か所の会場で行われます。二次試験同様、この日しか実施されませんので、あらかじめこの日を抑えておくことがまずは何よりも重要です。なおワインエキスパートは二次試験で終了です。会場によっては集合時間が異なりますので、案内通知を確認しておきましょう。
試験内容は論述試験とサービス実技試験の2つです。論述は二次試験日と同じ10月7日に、テイスティングの後に20分間実施されます。あくまで三次試験科目であるため、論述試験の出来具合は二次試験の合否には影響しません。しかしここで大きく点数を落としてしまえば、仮に三次試験の案内が届いたとしても、事実上不合格になりかねませんので、対策は必須です。
論述試験はここ最近では3問構成の記述式です。1問に付き200~300字程度で回答します。料理との相性や接客でのお客様からの質問、ワイン業界のトレンドなどが設問となっています。基本的なワインの知識があるかどうかはもちろんですが、それ以上にソムリエとしてのサービス力が問われます。状況に応じた応用力や判断力が必要となり、テキストを読むだけでは回答ができません。普段のワインの仕事での経験がそのまま試験に反映されます。
サービス実技はお客様にワインを提供する一連の流れをテストされます。具体的にはオーダーの確認、ワインの抜栓、デキャンタージュ、テイスティング、片付けなどで、時間は約7分。またソムリエナイフ、リトー(サービス用ナプキン)、ユニフォームは各自で持参です。レストラン勤務の受験者にとっては普段やっていることなので、そこまで難しくないかもしれませんが、酒屋勤務者にとっては不慣れなことなので、事前対策が必須です。
三次試験の合格率は日本ソムリエ協会からの発表はありません。正確な合格率は分からないものの、およそ9割が合格できると言われています。落とすためというよりはむしろ、ソムリエのサービスマンとしての確認テストと受け止めても良いでしょう。
②最終段階で気を抜かずに集中するために
ソムリエ・ワインエキスパート一次試験二次試験を突破し長い期間継続してきた集中力も途絶えそうな時期、最後の力をふり絞って三次試験はサービス実技試験が待っています。二次試験終了から1か月以上あるので、時間的なゆとりはあると思われるかもしれません。しかしいつもお店でやっているからと言って、何も対策をしなくてもいいというわけではありません。試験である以上、いくつかのチェックポイントがあります。自分または自分のテンポでは気に留めることでなくても、試験管にとっては減点対象ということだってあり得ます。
また論述試験は二次試験の日程で実施されることから、テイスティングと同時並行で対策を進めなければいけません。一次試験ほどの細かい知識は要求されませんが、基本的なことも忘れてしまうと何も書けなくなってしまうので、基本的なことの復習は必要です。またサステナビリティや世界経済、地球環境など時事的なことにはアンテナを張っておきましょう。どんな問題が出題されるかはわかりませんが、過去問をチェックしておくことで、答え方のテンプレートはある程度できます。1問7分以内で回答しないといけないので、すぐに書き出せるようにしておくことが大切です。試験本番では白紙で提出することは絶対に避け、とにかく書けることは書くことに集中しましょう。
実技試験では事前にどこを試験官にチェックされているかを抑えておくことが大切です。日本ソムリエ協会のホームページでは減点の事例も紹介されています。要点を抑えたら、実際にサーブの練習をやってみます。現在のソムリエ試験の内容で合格した先輩方に見てもらいながらやると、自分では気が付かないことを指摘してくれます。自分一人でやる場合には、スマホで録画して、後で振り返ってみると冷静に自分の欠点を見つけられます。
試験直前は着ていくユニフォームの準備を怠らないようにしましょう。身だしなみも要チェックです。清潔感がないと試験管の印象が悪くなります。ソムリエナイフは使い慣れたものにします。試験だからと言って使い慣れていないブランド物を持っていくと、思わぬミスをすることがあります。当日はミスの一つや二つはするだろうという軽い気持ちでいれば、かえって落ち着いて実技試験に挑めます。面接官も受験者が緊張していることくらい承知です。ワインをこぼしてしまったとかコメントを言いそびれたとかですぐに不合格になることはまずありません。途中でミスをしてしまっても笑顔で訂正し、そのままサービスを全うすることが何よりも大切です。
まずはソムリエ一次試験に合格することで頭がいっぱい。二次・三次試験の事など考えてはいられない!と思っている方がほとんどかもしれません。しかし受験すると決めたら合格までのプランを立てることが大切です。ソムリエ合格まであと少しの対策をしっかり計画し、一発合格を目指しましょう!
③ソムリエ【三次試験】対策講座を開講しているワインスクール比較
三次試験対策講座を実施しているワインスクールは一次、二次と比較すると数は多くはありません。合格率がもともと高いのと、実技に関しては自分で練習してなれることが対策のほとんどだからでしょう。
ここでは三次試験の対策講座を開催しているワインスクールを比較いたします。
(オンライン)三次試験対策講座を開講しているワインスクール
ワインスクール | 開講日(2024年) | 講座名(講座回数) | 受講料(税込) | 特徴 |
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ヴィノテラスワインスクール | 8/28(水) | 2024年度ソムリエ三次試験 「論述」試験対策講座(全1回) | 5,500円 | 予測困難な論述も「典型的なテンプレート」で攻略。 日本どこからでも受講可能。後日動画で限定配信。 |
10/30(水) | 2024年度ソムリエ三次試験 「サービス実技」 対策講座(全1回) | 5,500円 | 実演方式でライブ中継。後日動画で限定配信。 サービス実技で注意すべきチェック項目を参加者に伝授。 「虎の巻」とも言えるチェック項目を確認しながら練習。 |
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アカデミーデュヴァン (東京・大阪・オンライン) | 10月中旬~予定 | J.S.A.ソムリエ受験 サービス実技指導 | 未定 | 三次試験(サービス実技)対策に特化した専⾨クラス。 抜栓、デキャンタージュをゼロから始めるクラスから 本番形式演習を行うクラスまでの講座。 |
(全国)三次試験対策講座を開講しているワインスクール
ワインスクール | 開講日(2024年) | 講座名 | 受講料(税込) | 特徴 |
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アカデミーデュヴァン (東京・大阪・オンライン) | 10月中旬~ | J.S.A.ソムリエ受験 サービス 実技指導 【10月下旬から順次】 | 未定 | 三次試験(サービス実技)対策に特化した 専⾨クラス。抜栓、デキャンタージュをゼロ から始めるクラスから本番形式演習を行う クラスまでの講座。 |
レコール・デュ・ヴァン(東京) | 未定(2023年度参照) | ソムリエ受験対策 【サービス実技講座】(全8回) | 22,000円 | 講師による丁寧な【サービス実技指導】 (ソムリエナイフの使い方、抜栓、デキャンタージュ) と、ソムリエ受験に必須の【論述】のポイント解説や 書き方のコツなどをレクチャー。 |
未定(2023年度参照) | ソムリエ受験 【三次試験対策・抜栓実習】 (全1回) | 4,800円 | ワインの開栓およびデカンタージュについて指導。 また、試験当日を想定した本番形式のトレーニング も実施。 |
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ポケットワインスクール(東京) | 未定(2023年度参照) | ソムリエ三次試験実技対策講座 (全5回) | 1回 6,000円 | 6人1グループで試験管の前で、ソムリエナイフに よる赤ワインの抜栓とデカンタージュ。 実際の試験内容に沿って一人ずつの実技指導。 |
ワインプラスカレッジ(東京) | 未定(2023年度参照) | 【三次試験対策】 2023年度ソムリエ呼称資格 認定対策講座(全3回) | 1回 8,800 円 | 「ワインの開栓およびデカンタージュ」現役ソムリエ から学べる。実際にワインの抜栓、デキャンタージュ を講師の見本を見た後に他の受講生の前で実戦。 |
ワインスクール井上塾(京都) | 未定(随時更新) | 未定 |
レコール・デュ・ヴァンのように論述試験対策を二次試験として扱うスクールもあります。アカデミーデュヴァンでも実技は直前に1回の講座をやっています。ワインプラスカレッジでは講師が説明した後、生徒にみんなの前で実践してもらうことで緊張感も体験することができます。
実技試験はワインアドバイザーとソムリエが同じ呼称資格になる前からソムリエの方で長く実施されてきており、各ワインスクールともそれに対するノウハウを蓄積しています。しかし論述試験は比較的最近登場した形式です(ワインアドバイザーでは口頭試問という形で似たような出題形式は一応ありました)。そのため一概には言えないものの、論述対策はスクールによって教え方や対策のコツが少々異なっています。
多くのワインスクールが、最近はオンライン講座が増えてきてはいるものの、教室でのリアル講義がほとんどです。地方在住者にとっては通学が大きな課題です。しかしヴィノテラスワインスクールではすべてオンライン講座で、もちろん後から視聴することもできます。実技試験ではコンクール経験者による加点と減点のポイントがわかりやすく解説され、飲食店勤務でない人には大きな自信へとつながります。論述対策では、何が出題されるかわからないこそ、一定の決まりごとに従った典型的なテンプレートを伝授してくれます。最短距離で対策ができるので、テイスティングの時間確保にもなり、とても効率的と言えます。
④まとめ
三次試験ともなると一年以上準備してきた受験生にとっては集中力が続くのかが重要で体力的にもかなり過酷な最終受験です。ここまで通過しているにも関わらず、例年1割程度の方が不合格。ここは気を抜かず、最後の力をふり絞り、積極的に挑みましょう!
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