ソムリエ・ワインエキスパート一次試験を突破すると、二次試験があり、さらに三次試験は論述とサービス実技試験が待っています。
まずはソムリエ一次試験に合格することで頭がいっぱい。二次・三次試験の事など考えてはいられない!と思っている方がほとんどかもしれません。しかし受験すると決めたら合格までのプランを立てることが大切です。
独学なのか、ワインスクールに通うのか、仕事の合間を縫っていつ効果的に試験勉強をするのかが重要ですが、二次・三次試験合格までの対策をしっかり計画し、一発合格を目指しましょう!
①ソムリエ二次試験の実施日と試験内容と合格率
2024年度の二次試験は10月7日(月)となっており、全国15か所の会場で行われます。
二次試験はワインとスピリッツやその他の酒類を外観、香り、味わいを評価し、品種、産地、ビンテージを特定します。また〈ソムリエのみ〉ワインの産地、品種、製造方法、歴史などに関する記述式の論述試験(三次試験の内容として審査されます)も行われます。
一次試験と違い、一日だけなので、この日を抑えておくことが何よりも重要となります。ソムリエもワインエキスパートも11時半試験会場が開場となり、試験開始も同じ時刻ですが、ソムリエが40分に対して、ワインエキスパートは50分です。
どちらの資格試験もここ最近は5グラスのテイスティング試験であり、この流れから2024年も同じ傾向になることが予想されます。
しかし内容は異なり、ソムリエ試験はスティルワインが3グラスでそれ以外の酒類(酒精強化ワインやブランデー、リキュールなど)が2グラス、ワインエキスパートはスティルワインが4グラスで、それ以外の酒類が1グラスの傾向が続いています。
それ以外の酒類は香りや味わいなどのテイスティングコメントが問われることはなく、ずばりジャンルを当てる問題がほとんどです。
時間がかかりませんので、これが試験時間の違いにつながっています。
テイスティングの配点は今まで非公表でしたが、2018年からおよその配点が発表されました。
香り29%、外観18~19%、味わい17~18%、ブドウ品種12~13%、生産地7~8%、ヴィンテージ5%です。今後変更になるかもしれませんが、少なくともワインのテイスティングコメントだけで6割を占めていることから、ワインを正しく表現することがいかに重要かがよくわかります。
二次試験のみの合格率は、日本ソムリエ協会からは発表されていません。しかし概ね8割が合格していると言われています。正確な数字はわからないものの、少なくとも一次試験よりはかなり高いのは間違いなさそうです。
またワインエキスパートのほうが合格率はやや低いと言われていますが、ソムリエは三次試験まであることを考えると、最終的にはソムリエのほうが合格率は低くなります。
②意外と時間がない!二次試験の準備は早めの対策で自信をつける
一次試験が7月20日から8月末までのいずれかであり、二次試験までの期間は一次試をいつ受験したかで決まります。
8月末の場合、1か月強しかないことになります。早い段階で一次を受験したとしても、必ずしも余裕があるとは言えません。
筆記試験であれば直前に時間をとって猛勉強すれば何とかなるかもしれません。しかしテイスティングの勉強は短期間で集中することが想像以上に容易ではないことに注意する必要があります。
ブドウ品種や生産地の違いを香りや味わいで判別できるようになるにはどうしても時間がかかり、1回飲み比べただけではすぐに身に付きません。そしてテイスティングは非常に集中力を要するため、疲労が溜まり、何時間も連続してできることではありません。
繰り返すうちにだんだんわからなくなるのもあります。
かつてと比べても、ブドウ品種やワイン生産地が増えていく傾向にあります。
つまりそれだけ事前にテイスティングしておく必要があり、対策に充てる時間がかかります。スティルワイン以外の酒類も多く、これらを含めたらいかに大変かがわかるでしょう。
なおその他酒類は幅広い割には配点が低いため、最初から捨てるという選択肢もあるかもしれません。ただしわかればそのまま得点につながることと、ライバルとの差がここでできることが多いため、極力事前準備をしておきたいところです。
このように一次試験の合否は当日結果が出ても、二次試験日までは約1か月。早い段階でどのような方法で勉強するかが重要です。ソムリエ試験の場合は三次試験の論述試験が二次で実施されるので、この対策も必要です。
一次試験を通過しないと二次以降には進めませんが、二次試験を通過するためには早めの対策が合否を決めると言ってもいいでしょう。
③ソムリエ【二次試験】対策講座を開講しているワインスクール比較
テイスティング対策ではどうしても勉強のためのワインが必要となります。その本数は結構な数になり、かなりの金額負担となるかもしれません。また一人でテイスティングしてもコツをうまくつかめないでしょう。そのため一次試験対策を独学でやった人でも二次対策はワインスクールを活用した方が経済的かつ効率的です。
さて、どの講座が自分に合っているのか、いろいろとワインスクールを検索しているうちに、どの講座がどのスクールかわからなくなってしまいませんか?
ここでは2024年度に二次試験対策を開講している講座を一覧でご紹介します。開校日・講座回数・カリキュラムの内容・価格などを比較できるようまとめてみました。
(オンライン)二次試験対策講座を開講しているワインスクール
ワインスクール | 開講日(2024年) | 講座名(講座回数) | テイスティングアイテム (1回につき) | 受講料(税込) | 特徴 |
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ヴィノテラスワインスクール | 8/24(土)~ | 基礎マスター講座(全3回) | 100mlワイン4種 | 6,600円 | 二次試験によく出題される、基本的な品種について その特徴の捉え方と回答を解説。 二次試験を始めて受ける方、二次試験対策を今から始める方におススメです。 |
8/31(土)~ | 比較テイスティング講座(全6回) | 100mlワイン6種 | 7,700円 | 様々な産地や品種を比較テイスティングし「どうすれば二次試験に落ちないか」 を学んでいきます。受験性が「混同しやすいワインを知り」その違いを意識して テイスティングし、間違いやすいコメントを具体的にレクチャー。 |
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9/23(月・祝)~ | 本番想定講座(全5回) | 100mlワイン4種 50mlその他のお酒2種 | 7,700円 | 中間点を狙う×傾向と対策=合格 本番試験を想定し、実際のワイン情報は 伏せて制限時間内に回答。 ブラインドテイスティング後、正答&解説します。講義終了後に学習サイトシステム内に 回答&解説資料を掲載。 |
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コンプリートプラン (上記全14講座) | 上記全78種 | 104,500円 →98,000円 6,500円お得 | ・基礎マスター講座 ・比較テイスティング講座 ・本番想定講座 |
(東京)二次試験対策講座を開講しているワインスクール
ワインスクール | 開講日(2024年) | 講座名(講座回数) | テイスティングアイテム (1回につき) | 受講料(税込) | 特徴 |
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レコール・デュ・ヴァン | 8/13(火)~順次開講 | 二次試験対策講座 「テイスティングコメントの選び方白ワイン編・赤ワイン編」(全1回) | 白ワイン編 赤ワイン編 各6種 | 8,800円(120分) | 全23テーマ+論述対策3テーマと、業界トップレベルの充実した内容。 テイスティングのコツ、試験のポイントを丁寧にレクチャー。 |
ポケットワインスクール | 2024年9月~ | 二次試験対策ティスティング実践 毎回14種講座(全10回) | ワイン6種、ワイン以外の飲料8種 | 会員 1回6,000円より | 合否に関わる重要品種とコメントをテイスティング で確認しながら、品種・産地の特徴を学びます。 最終段階は再度ブラインドにて確認。 毎回ソムリエの論文対策も含みます。 |
ワインスクール山崎塾 | 8/31(土)・9/1(日) | ワインスクール山崎塾・テイスティング理論講座 2024(各日2時限・全4時限) | なし | 1時限4,400円 | 二次試験を突破するための理論(メソッド)を きちんと勉強できます。 独学で勉強し一次試験は突破したが、二次試験対策を どうすれば良いか分からない方向きです。 |
ワインプラスカレッジ | 8/31(土)~ | 【二次試験対策】2024年度 ソムリエ&ワインエキスパート 呼称資格認定試験対策講座(全5回) | 5~6種+その他酒類2種 | 44,000円 | テイスティング用語選択用紙を使い、本番に近い レッスンを実施。2時間のゆとりあるテイスティング レッスンで講師が丁寧に解説します。 |
(全国その他)二次試験対策講座を開講しているワインスクール
ワインスクール | 開講日(2024年) | 講座名(講座回数) | テイスティングアイテム (1回につき) | 受講料(税込) | 特徴 |
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アカデミーデュヴァン(大阪) | 8/20 (火) ~順次開講 | JSAソムリエ/ワインエキスパート 二次試験実力診断 テイスティングチャレンジ(全1回) | 白ワイン 2種 赤ワイン 2種 その他酒類 1種 | 6,600円 | 過去出題アイテムを本番形式の形で実際に回答することで、 本番のテイスティング力を測ります。 回答時間終了後は模範解答やコメント解説を実施。 |
8/18(日)~ | J.S.A.ソムリエ/ワインエキスパート 二次試験対策 合格力UP! 【テイスティングコンプリートプラン】 全4回 | 全38種 | 39,600円 | 全4回で基礎から応用まで38種類のスティルワインを 徹底的にトレーニング。 |
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9/9(月)~順次開講 | J.S.A.ソムリエ/ワインエキスパート 二次試験対策 本番シミュレーション(全1回) | 白ワイン2種 赤ワイン2種 スティルワイン以外のお酒2種 | 一般会員価格: 7,700円 (税込) 正規会員価格: 6,600円 (税込) | 制限時間(50分)内で回答を作成する、まさに本番形式のテイスティング。 講師によるポイントの解説付。 |
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ワインスクール井上塾(京都) | 7/14(水)~ | 2024ソムリエ・ワインエキスパート 実践コース(全6回) | 毎回4種以上 | 33,000円(単発6,600円) | テイスティング能力を向上させつつ認定試験では学べなかった ワインの奥深さを学びます。 わかるまで何度も受講可能で同一授業の振替受講も可能です。 |
ボワ ノワール(名古屋) | 9/3(火)~ | ソムリエ&ワインエキスパート 2次試験対策講座(全5回) | 白ワイン2種、赤ワイン2種 その他飲料2種 | 6,500円/1回 | マークシート選択肢の練習。 各回のワインはすべて異なるものをテイスティング。 |
9/27(金) | ソムリエ&ワインエキスパート 2次試験対策講座<特設クラス> (全1回) | その他の飲料 (ハードリカー・リキュール等> | 5,000円 | 予約制フリーテイスティング形式。 教本に記載の飲料を全てご用意。 講師が常駐し質問可能。 |
井上塾やレコール・デュ・ヴァンのように7月にスタートしているところもあり、早い段階で対策をしたい方にはお勧めです。ワインスクール山崎塾のように短期間で実施してくれるところもあり、極力独学でやりたい方にはいいかもしれません。
多くのワインスクールが数回にわたって対策講座を開講しており、模擬試験を実施してくれるところもあります。本番さながらの緊張感を一度体験しておくだけでも大きな差が生まれます。アカデミーデュヴァンなどの有名なワインスクールはいくつかの講座があり、自分に合ったものを選んで対策することもいいでしょう。ただし初めて受験する場合はそもそも自分の何が不足しているのかわからないので、選ぶ難しさがあります。二次試験に一度不合格で再挑戦の場合にはメリットが大きいでしょう。
ほとんどのワインスクールの二次試験対策が教室でのリアル授業です。ワインスクールが近くにあれば特に問題ありませんが、地方在住者にとっては通学が困難です。しかしヴィノテラスワインスクールはオンライン講座で実施しており、テイスティング用のワインサンプルも毎回自宅に届きます。ワインサンプルは最新の技術で入れ替えされているので、酸化はほぼありません。また対策講座がそれ一つでまとまっており、どの講座を受けるかいちいち迷う必要がないのもメリットです。オンラインなので、再度動画を閲覧することもできます。
様々な対策講座を見比べて、自分に合ったカリキュラムはどのワインスクールか?対策の参考に是非ご覧ください。
④まとめ
一次試験を突破して、ホッとしている時間はありません。先を見通して早めの準備することで、自信を持って試験に臨むことができます。 例年の出題予想や、サービス実技においては基本の手順があるため、ワインスールでの試験対策講座を受講する事が合格への近道かもしれません。
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