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白ワインと赤ワインを混ぜる!?ブレンド法について

ロゼワインを造るとき白ワインと赤ワインを混ぜるブレンド法。
スパークリングワイン以外は禁じている国が多いのですが、白ワインに赤ワインを混ぜるブレンド法とはどんなものなのでしょうか?そこには産地に隠された理由がありました。又、ワインをブレンドする以外にも醸造前にぶどうを混ぜる方法も。
今日はワインやブドウを混ぜることについてご紹介したいと思います。

 目次
 ・ブレンド法とは
 ・ブレンドしないロゼワインってどうやって造るの?

 ・混醸ワインとブレンドワインの違いとは?その産地と特徴
 ・まとめ

ブレンド法とは

ブレンド法とはロゼワインを造る方法のひとつです。

ワインが出来上がった状態で白ワインと赤ワインをブレンドする方法です。EUではほとんどの地域で禁止されています。

唯一、認められているのがシャンパーニュ地方で造られるスパークリングワイン、シャンパンです。瓶内二次発酵前に10〜20%の赤ワインをブレンドしたり、赤ワインリキュールを添加したりします。

ブレンド法のメリットは不安定な気候を補えること

フランスシャンパーニュ地方だけに認められているのはなぜなのでしょうか?

そこにはシャンパーニュ地方の気候に背景があります。シャンパーニュ地方はフランスの栽培地域では最北と言われています。冷涼で気候が不安定。特に収穫時期の天候不良はブドウの熟度や収穫量に大きな影響がでます。

そこで考えたのが、複数のブドウ品種を栽培することで不作のリスクを分散しようとしました。収穫時期をずらすことで安定した収穫が望めます。又、複数品種を活かしてシャンパンの独自性を産み出すことができています。そしてシャンパンはリザーブワインと呼ばれるワインを複数ブレンドして安定した味わいと生産量を継続することができます。

しかし、複数のリザーブワインを毎年ストックしておくには資金が必要となります。シャンパンメーカーに大手が多いのはこういった理由もあります。

ブレンドしないロゼワインってどうやって造るの?

ブレンドをしないでどうやってロゼワインができているのかを解説します。大きく分けて3つの方法があります。

1,セニエ法

黒ブドウをかるく潰し皮ごと漬け込んでから果汁だけ抜き取る方法です。求めている色になれば抜き取ります。多くのロゼワインがこの方法をとっています。比較的しっかりした味わいのロゼワインができます。ロゼシャンパンでこの方法をとっているところもあります。

2,直接圧搾法

黒ブドウを果皮ごと圧搾します。果皮の色がほのかにでるエレガントな味わいのロゼができます。高級なロゼワインに多いタイプです。ロゼシャンパンにはほとんどない方法です。

3,混醸法

赤ブドウと白ブドウを混ぜた状態で発酵させるワインの製造方法で同じ発酵タンクで一緒に発酵させます。複雑味やうまみのあるロゼワインができあがります。こちらはシャンパンにはみられない方法です。

少し専門的な話になりますが黒ブドウと白ブドウを混醸をすることで赤ワインの色が安定することにあります。赤ワインの色味は果皮から色素成分が抽出されることで色づきます。この色素成分が多いほど色味が安定します。しかし黒ブドウだけで抽出した場合、果皮からでてくる色素が飽和状態になります。
そこで白ブドウを少しいれることで余白を作ってあげます。色素の飽和が緩み、より抽出されるというイメージです。もう一点はph値が下がることで色素の安定がはかれることです。
ある一定の値から赤色がきれいにでることが研究でわかっています。白ブドウは黒ブドウより酸度が高いです。酸度が高いとph値は下がり色素が安定しやすくなります。白ブドウに含まれる有機分子にも影響があると言われています。
多くの造り手が色味の安定を理由にあげています。白ブドウを混醸をするのには理由があったのですね。

こんなワインもあります!白ブドウで造るオレンジ色のワイン

オレンジワインとは白ブドウやグリ・ブドウ(果皮がピンク色のブドウ)を破砕しを赤ワインのように果皮と種子を漬け込んで造るワインです。白ブドウに色素があり、漬け込むと夕日のようなオレンジ色がでてきます。すこし苦みがあり出汁のようなうまみも感じられるワインに仕上がります。実は古代ギリシャからある古い製法なのです。

混醸ワインとブレンドワインの違いとは?その産地と特徴

混醸ワインとは違い白ワインと赤ワインを混ぜたブレンドワインや白ブドウと黒ブドウを混醸をしたワイン。ヨーロッパをはじめ世界中にブレンドワインは存在します。

「混醸法」と「ブレンド」との大きな違いは、発酵のタイミングです。混醸法では発酵の前に複数の品種を混ぜるのに対して、ブレンドは発酵後にそれぞれのワインを混ぜ合わせます。混醸法では、発酵中に異なるぶどうの特徴が融合するため、ワインの味わいや香りがより一体感を持つのが特徴です。

では根性ワインとブレンドワインはどの国で造られているのでしょうか?

フランス

シャンパーニュ地方のロゼシャンパーニュ。これがEUでは唯一許されたブレンドワインです。きれいなピンクの発泡ワインはみているだけで酔いしれそうですね。

フランスのローヌ地方の最北部「コート・ロティ」赤ワインにはグルナッシュやシラーなどの黒ブドウに白ブドウのヴィオニエを混ぜた混醸ワインが存在します。単一品種ではだせない深い味わいを造り出しています。

イタリア

じつはあの有名なトスカーナ州のキャンティに混醸ワインがあります。「D.O.C.G.キャンティ」のみで、10%まで白ブドウ品種であるマルヴァジア・デル・キャンティ、トレッビアーノ・トスカーノを混ぜる事が認められています。
意外と知られていない真実です。

ドイツ

ロートリングと呼ばれる混醸のロゼワインはブレンドではなく発酵中にすでに混ざり合っている状態で行います。
黒ブドウと白ブドウ、またはそれぞれ破砕し、果汁につけた状態で混ぜて一緒に圧搾・醸造した淡い色または明るい赤色となります。
ヴェルテンブルグ地方のシラーワイン。バーデン地方のバーディッシュ・ロートゴールドというふうに地方によって呼び名が変わるのもおもしろいですね。様々な地域にありますが、残念ながら最近では造り手は減ってきています。

南アフリカ

シャンパーニュと同じブレンドワインで造られるスパークリングロゼワインがあります。造りはヨーロッパスタイルが多いのでエレガントな味わい。コスパのいい産地ですね。

日本

今や日本全国で造られるようになったワイン。日本はヨーロッパにくらべ醸造スタイルが自由です。混醸ワインも沢山あります。是非さがしてみては?

まとめ

特別な理由でシャンパンだけ認められている白ワインと赤ワインのブレンド。
世界中にある白ブドウと黒ブドウの混醸ワイン。ワインには様々な背景や理由があって興味深いですね。そのストーリーを知れば知るほど味わいも深まります。色々なスタイルのワインを知って飲んでみたいですね。

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