ソムリエ試験の概要

ソムリエになるためには?試験概要や合格率をチェック!【2024年1月改訂】

ワインが好きな方や、ワインに関わる仕事をしている方なら一度は聞いたことがあるであろう「ソムリエ」。イタリアンやフレンチのレストラン、ワインバーには胸に輝く金色のバッジをつけているソムリエがいます。かっこいいですよね。

でも、そもそもソムリエってどうやったらなれるのでしょうか?誰でもなれる?試験は難しいの?そういった疑問に応えるべく、今回はソムリエ試験の内容や合格率などを解説していきます。

ソムリエとは?
ソムリエ・ワインエキスパート試験の概要と合格率
ソムリエになるメリット
ソムリエを目指して楽しく勉強しよう!

ソムリエとは?

ソムリエと言っても、世界各地に資格を取得する協会があり、フランスやイタリアでは国家資格として認定されています。
日本でいうソムリエは国家資格にはなっていませんが、民間資格として主に2つの団体があります。

一般的に知られているのは一般社団法人日本ソムリエ協会(JAPAN Sommelier Association)、もう一つは全日本ソムリエ連盟(ANSA)です。

参考:一般社団法人日本ソムリエ協会 
参考:全日本ソムリエ連盟 

日本ソムリエ協会ではソムリエとは別に「ワインエキスパート」という資格があります。ソムリエとの違いは皆さんご存知でしょうか?

ソムリエとワインエキスパートの違い

そもそも、ソムリエ試験を受けるには以下の条件をクリアしていないといけません。

※以下日本ソムリエ協会公式HPから引用
【一般】
以下の職務を通算3 年以上経験し、第一次試験日においても従事している方
◆アルコール飲料を提供する飲食サービス
◆ワイン・酒類飲料の仕入れ、管理、輸出入、流通、販売、教育機関講師、酒類製造
◆アルコール飲料を取り扱うコンサルタント業務
※雇用体系により従事時間数の規約あり
賛助会員登録会社に所属されている方も会員条件が適用されます。
【会員】
会員歴が2年以上あり、以下の職務を通算2年以上経験し、第一次試験日においても従事している日本ソムリエ協会正会員および賛助 会員所属者

引用元:https://www.sommelier.jp/exam/index.html

一方でワインエキスパートは、お酒が飲める20歳以上であれば、職歴や経験問わず受験できます。
そのため、ソムリエ試験には実際にお客様へサーブする想定としての実技試験(三次試験)がありますが、ワインエキスパートは三次試験がありません。

つまり、ソムリエはワインの知識を生かして仕事をする「専門職」としての資格で、ワインエキスパートはワインに従事した仕事でなくても、ワイン愛好家として持てる資格といえます。

とはいえ、ソムリエもワインエキスパートも同程度の難易度があり、優劣はありません。

ソムリエ・ワインエキスパート試験の概要と合格率

ソムリエ・ワインエキスパート試験(日本ソムリエ協会)は2018年からCBT方式というパソコンで回答を行うやり方に変わりました。
申し込みをすると、その年の世界各国の最新ワイン情報が記されているソムリエ教本が届きます。ソムリエ教本は2022年段階で800ページ超えになっており、それはまるでタウンページのような分厚さがあります。

ソムリエ試験概要

ソムリエ試験は三次試験まであり、(ワインエキスパートは二次試験で終了)
・一次試験(筆記試験) 7月中旬〜8月末
・二次試験(ティスティング試験) 10月中旬
・三次試験(論述、実技試験) 11月下旬 ※合格発表は12月上旬
と、夏から初冬にかけての長丁場になります。

前述したように、ソムリエとして受験をするには、ワインをはじめとするアルコール飲料を提供するお店や、扱っている職種の仕事を3年以上経験し、かつ第一次試験日においてもその仕事に従事していることが条件です。それらの仕事が3年未満の方や、異なる業種で働いている方は、職種や経歴が不問の「ワインエキスパート」を受けることになります。

●一次試験 筆記試験

日本ソムリエ協会教本記載事項より出題されます。ソムリエ試験において、ここが一番の難関です。日本ソムリエ協会の教本は全ての情報が網羅されており、800ページを超える厚さなので、教本をベースに勉強をするのは効率的とは言えません。

独学で勉強される方も多いですが、ワインスクールに通って出題ポイントや過去問から見える傾向と対策をしっかりとプロの講師から指導してもらいながら勉強するのをおすすめします。

ワインスクールには通学するスタイルとオンラインで受講できるスタイルがあるので、自分のライフスタイルに合わせてセレクトしましょう。

【2024年度版】
ソムリエ・ワインエキスパート試験対策が学べるワインスクール比較

●二次試験 テイスティングと論述試験(三次試験の内容として審査)

難関の一次試験を突破した皆さんには、二次試験が待ち受けています。二次のティスティング試験では、ソムリエはワイン3種類とワイン以外の蒸留酒や混成酒が2種類(ブランデー、リキュールなど)の合計5種類が出されます。毎年出るワインやお酒は変わりますし、ワイン以外のお酒がでるのが少々厄介なところです。
ウィスキーや焼酎、ラム、ブランデー、キルシュなど幅広く出されます。

試験時間はソムリエは40分です。限られた時間の中で嗅覚と味覚を研ぎ澄ませて、適切なコメントを選択していきます。

生産地やヴィンテージ、ぶどう品種を当てていくには一定のセオリーがあります。
こちらも独学で身につけるのは困難なので、一次は独学でなんとかなった人でも、二次試験だけでもスクールに通うことを強くおすすめします。

論述試験は例年3題出題されています。こちらはその年のトレンドを掴んだ時事問題なども出ます。難易度は高くはありませんが、ポイントは「空欄を作らない」こと。もしわからなくても、文字数をきちんと埋めることが重要です。

【2023年5月最新版】
ソムリエ・ワインエキスパート二次試験合格への対策と勉強法とは?

ソムリエ合格のための勉強法

●三次試験 サービス実技試験(ワインの開栓およびデカンタージュ)

三次試験はサービス実技の試験です。制限時間は7分で、ワインの開栓とデカンタージュを行います。普段から仕事でしている人もいますが、サービスに従事していない方は特に入念な対策が必要です。
対策法と準備、細かい実技のフローはこちらをご覧ください。

【2023年5月最新版】デキャンタージュの極意!ソムリエ三次試験合格への対策と準備

●書類審査

三次試験を通過した方のみ、書類審査をします。期日までにきちんと書類を提出していれば基本的には問題ありません。万が一書類に不備があると、合格していても認定されないので、きちんと書類は事前に準備しましょう。

ソムリエ試験の合格率

ソムリエ試験の近年の合格率は以下の通りです。
ソムリエ試験の近年の合格率は以下の通りです。
2017年 23.5%
2018年 26.5%
2019年 29.8%
2020年 37.9%
2021年 42.1% 
2022年 30.1%
2023年 17.7%

一見「3人に1人は受かるんだな」と思うかもしれませんが、受験者全員が「ワインをしっかりと勉強し、本気で取得しに来ている」人たちです。そう考えると難易度は決して易しくありません。

また、2023年ベースですと、累計の資格保有者(ソムリエ)は39,719名です。2021年の合格者は2490名、2022年は1132名と毎年1000~2000名程度の合格者でしたが、2023年では570名と大幅に減少しています。

日本ソムリエ協会/資格保有者・合格率一覧

ソムリエになるメリット

ソムリエバッジをつけているだけで「ワインに詳しい人、専門家」と思われるので、明らかにお客様からの見方が変わります。その他、昇格につながったり転職に有利だったりとメリットはたくさんあります。

●メリット

・お客様からの信頼度が上がる
・店舗内でワインの仕入れやセレクトを任されるようになる
・店長やエリアマネージャーへの昇格
・ワインを扱うお店や飲食業界への転職に有利
・一流ホテルや有名なレストランからのヘッドハンティングがある
・ワインの輸入会社からのオファーがある
・飲食店をはじめとするワイン事業での独立

おわりに:ソムリエを目指して楽しく勉強しよう!

ソムリエ試験は一筋縄ではいかず、入念な対策と日々の鍛錬が必要だということがわかっていただけたかと思います。

出題範囲は年々拡大しているため、ある程度勉強期間を設けて本腰を入れて取り組まないと、せっかくの受験料が無駄になってしまいます。

ヴィノテラスワインスクールではソムリエ・ワインエキスパート受験対策講座がオンラインで受講できます。
無料体験講座も実施中ですのでぜひ参加してみてください。

ソムリエ試験の申込受付期間は例年3月上旬からスタートします。一次試験は2024年の7月から。しっかりと事前に準備して、輝くソムリエバッジを手に入れましょう!!


 

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