2019年に、日本ソムリエ協会よりシニアソムリエが「ソムリエ・エクセレンス」、シニアワインエキスパートが「ワインエキスパート・エクセレンス」へ呼称変更となりました。これらの上位資格にあたるこれらの認定試験の合格率と、各エクセレンスに合格するための勉強方法を紹介します。
目 次
ソムリエ、ワインエキスパートの上位資格であるエクセレンスとは?
基本技術フォローアップセミナー
(約30%がこのセミナーの内容から出題されます)
そのほかの勉強法、スケジュール管理
過去問題を解く
セミナー、試験講座を受講する
1.ソムリエ、ワインエキスパートの上位資格であるエクセレンスとは?
2024年現在、日本ソムリエ協会(J.S.A.)はワインに関しては、ソムリエ、ワインエキスパート、ソムリエ・エクセレンス(旧シニアソムリエ)、ワインエキスパート・エクセレンス(旧シニアエキスパート)の4つの資格試験を実施しています。他に日本酒の資格、サケ・ディプロマもあります。
ワインエキスパート・エクセレンスは、ワインエキスパートの一つ上に位置する資格です。もともとシニアエキスパートという名称でしたが、2019年にワインエキスパート・エクセレンス、シニアソムリエがソムリエ・エクセレンスに変更となりました。
受験内容とは?
まずはワインエキスパート・エクセレンスの受験資格について紹介をします。「ワインエキスパート資格認定後5年目(2018年以前に認定)を迎える方」、「年齢が30歳以上の方のみ」「ワインエキスパート・エクセレンス呼称を有していない方」の3つの条件を満たす人のみが取得できます。国籍は不問ですが、住所が日本でないと不可です。
ワインエキスパート・エクセレンスはいきなり飛び級で受験することはできません。しかしワイン業界以外の人が受験できるワイン資格の中では、難関資格とされています。ワインエキスパートとして必要とされる知識のベースがないと、合格するのは難しいと言えます。
ワインエキスパート・エクセレンスの試験内容とは?
難易度と試験内容が通常のワインエキスパートよりも大きく異なります。もちろん出題範囲も異なります。まずは具体的な試験内容について紹介していきます。
試験内容
①筆記試験:試験内容は2024年日本ソムリエ協会教本を中心に出題されますが、教本以外の内容も問われることがあります。ワインのプロフェッショナルとして、またエキスパートの上位資格に求められる知識が必要です。
②テイスティング:6~7種類ほどのワインやそれ以外のお酒について回答します。種類は年によって変わることがあります。一部で記述試験があり、ワインの生産地や地方について回答する必要があります。
③小論文:ワインのスタイルだけでなく、醸造法や産地、マーケティングの手法など理解力・提案力が求められます。
2024年度エクセレンス呼称の試験日は?
会場は東京のみで、一次・二次試験とは言わずに、「筆記」「テイスティング」「実技/論述」と呼称されます。
ソムリエ・エクセレンスでは第二日程におけるテイスティング試験後すぐに採点し、通過者を発表、通過者のみが後半の実技試験に進むようになります。ワインエキスパート・エクセレンスでは第二日程にテイスティング、論述試験を行います。
◆第一日程:2024年10月7日(月)
◆第二日程:2024年11月25日(月)
2024年3月1日(金)10時〜7月12日(金)17時59分 まで
2024年度ワインエキスパート・エクセレンスの受験費用について
受験するには、いったいどのくらいの受験料がかかるのか気になっている方もいらっしゃるかと思います。ここでは受験費用について紹介します。第二日程は免除制度がありますので、過去の一定期間に受験された方には一定の条件で免除対象となります。
エクセレンス呼称の受験費用
◆第一日程 筆記から受験される方
一般の方:25,030円 日本ソムリエ協会正会員の方:17,720円(教本・税込み)
◆第二日程【免除】テイスティングから受験される方
一般の方:14,210円 日本ソムリエ協会正会員の方:7,300円 (税込み)
◆第二日程【免除】実技・論述から受験される方
一般の方:7,100円 日本ソムリエ協会正会員の方:3,650円 (税込み)
ワインエキスパート・エクセレンスの合格率
2019年に呼称変更されましたが、ワインエキスパート・エクセレンスに関しての受験者数と合格者数、および合格率がJ.S.A.から発表がありましたので紹介します。
2023年では受験者数が110名で約17名が合格し、合格率は15.5%と前年の28.9%に比べ大幅に低くなっています。
2023年と同様、2024年の試験に関しても、1次は全問記述で原語での回答を求められ、2次3次は2023年の問題とおそらく同じ傾向にする可能性が高いと思われます。いずれにせよ1次試験の壁をまず超えることが求められると言えるでしょう。
参考:資格所有者・合格率一覧
2.基本技術フォローアップセミナー(約30%がこのセミナーの内容から出題されます)
このセミナーではソムリエ・ワインエキスパート資格保有者を対象とし、試験合格後の知識のアップデート、レベルアップ、さらにはエクセレンス資格受験のために最適な内容となっているようです。この数年で教本は大幅に改訂されています。古い教本をお持ちの方は現在のものと比較してみるとその内容の違いに驚かれると思います。過去には掲載されていなかった生産国、生産地域、法律変更などについて分かり易く解説してくれます。エクセレンス呼称資格を受験して、最短合格されたい方はぜひ参加してみて下さい。
3.そのほかの勉強法、スケジュール管理
多くの方にとってワインエキスパート・エクセレンスに挑戦をする場合に、一番気になるのは勉強方法ではないでしょうか?ここでは、ワインエキスパート・エクセレンスの、いくつかの勉強法について解説をします。
スケジュールを立てる
今年の試験開催日がいつかわかったら、試験本番までに何をするのか具体的に計画しましょう。出題範囲は非常に広く、内容も深いです。教本を一度読んだくらいではとても太刀打ちできません。
月間、週間、一日単位で何をどこまで勉強するのか計画を立てるのが重要です。仕事やプライベートで忙しいと思うので、時間を作るようにしましょう。
例えば、「平日はいつもより1時間ほど早く起きる」、「通勤時間に勉強する」、「お昼の休憩時間」、「帰宅後の寝るまでの間に1時間」です。
もちろん1時間~2時間ほどしか、時間を作れないという方もいます。しかし簡単な試験ではないので、いかに集中して勉強ができる時間を取れるかが合格の道につながります。隙間時間を有効に使うのも大切です。
平日だけでは時間が足りなくなるので、休日の日はできるだけ時間を割いて勉強するようにしましょう。勉強をし始めると、暗記する量が多いので時間が足りないと自覚できると思います。
ノートやスマホにしっかりと予定を書き込んで、可能なかぎりスケジュール通りに勉強をしましょう。できなかったらその分はいつ勉強するのか計画するのも大切です。
4.過去問題を解く
一番効率よく勉強ができる方法は過去問題を解くことです。前年度と似たような問題が、今年度でも出題されていたなんてことは良くあります。過去問題を解くだけでも、かなり大きな試験対策となるので、時間がなくても優先的にやりましょう。
かつてはJ.S.A.が試験に出題された内容を公開していました。ところが、2018年と2019年に関しては過去問題が公開されていません。そんなこともあり2018年から合格率が減少傾向となっています。
5. セミナー、試験講座を受講する
対面授業が主流だった講座ですが、「オンライン講座」は、近年増えている方式です。オンライン講座は自分の好きな時間、好きな場所で学べるところが大きなメリットです。
お手持ちのスマホやタブレット端末、パソコンで始めることができ、気になったところを何度でも見返すことが可能です。追加特典として、特別講座や試飲会などの招待をしてくれるスクールもあります。
受講料も様々なので、自身の予算や勉強スタイルに合わせて選ぶのがおすすめです。
いかがでしたでしょうか。ソムリエ・エクセレンス、ワインエキスパート・エクセレンスの勉強法や合格率などについて詳しく解説を致しました。ワインの中でもかなりの難関資格なので、しっかりと勉強計画を立てて、合格を目指しましょう。