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知っておきたいロゼワインの基礎知識

世界では既に大きなブームとなっているロゼワイン。日本でも毎年人気が増しています。今回は、そのロゼワインの基礎知識と合わせる料理などをご紹介いたします。


  目次
   1.ロゼワインとは

   2.赤ワインや白ワインとの造り方の違い
   3.ロゼワインの種類
   4.ロゼワインの製法について(プレス法、セニエ法、混醸法)
   5.ロゼワインに合う料理

1.ロゼワインとは

ピンク色が美しく食卓を華やかに彩ってくれるロゼワインですが、そもそもロゼワインとはどんなワインかご存知ですか?その色から赤ワインと白ワインを混ぜたものと思っている人もいるかもしれませんが、実は造り方は様々です。

ロゼ(Rose)とは、フランス語でバラのこと。ロゼワインは、バラのようなピンク色をしたワインの事をいいます。その美しい色合いから、特に女性に人気のワインです。


2.赤ワインや白ワインとの造り方の違い


赤ワインと白ワインの違いは、一般的には原料となるブドウの違いです。赤ワインは黒ブドウで、白ワインは白ブドウを使って造られます。ただし、ブドウの色だけではなく、造り方にも違いがあります。

白ワインは、ブドウの果皮や種子を取り除き、果汁だけを発酵させます。対して赤ワインは、果汁とともに果皮と種子をタンクに入れて発酵させます。この発酵が進むと、果皮に含まれている赤いアントシアニン色素や渋みの成分であるタンニンが抽出されるため赤ワインとなるのです。

一方、ロゼワインの造り方にはいくつかの方法があります。赤ワインと同様に果皮も一緒に発酵させ、美しいピンクの色合いになったところで果皮を取り除く方法(セニエ法)や、白ワインと同じ造り方で、黒ブドウを潰す際に自然に果汁に色を移す方法(プレス法)、黒ブドウと白ブドウを混ぜて仕込む方法(混醸法)などがあります。詳しくは後ほどご説明します。   

3.ロゼワインの種類


ロゼワインには、色合いの濃いものと淡いものがあります。先ほど説明したつくり方の違いによるもので、果皮と一緒に発酵させ、美しいピンクの色合いになったところで果皮を取り除く方法だと比較的濃い色合いになります。一方、白ワインと同じ造り方で、黒ブドウを潰す際に自然に果汁に色を移す方法ですと、淡い色合いに仕上がります。また、スパークリングタイプのロゼワインもあります。

4.ロゼワインの製法について(プレス法、セニエ法、混醸法)

では具体的に、それらの製法について解説しましょう。

プレス法


プレス法は、直接圧搾法ともいわれる製法で、黒ブドウを使って白ワインと同様の造り方をする方法です。白ブドウと違って、黒ブドウの場合には潰す際に、果汁に若干果皮の色が移ります。しかし、圧搾して果汁を絞ったあとには果皮は取り除かれるため、タンニンが少なく爽やかな色合いと味わいのロゼワインになります。

セニエ法


セニエ法は、赤ワインと同様に果皮も一緒に発酵させ、美しいピンクの色合いになったところでタンクの下から果汁を抜いて果皮を取り除く方法です。この果汁を抜く様子が、「血抜き(フランス語でセニエ)」に似ていることから、セニエ方式と呼ばれています。果皮を加えたまま、ある程度発酵させることから、色素やタンニンが抽出されるため、プレス方式(直接圧搾法)より濃い色合いのロゼワインに仕上がります。

混醸法


混醸法は、赤ワインに使われる黒ブドウと白ワイン用の白ブドウを一緒にプレスして発酵させる方法で、ドイツのロートニングが有名です。プレス後の発酵工程は赤ワインと同じです。混醸法で大切なことは、発酵前に混ぜることです。ヨーロッパでは一部を除き、発酵した後の赤ワインと白ワインを混ぜることは認められていません。

ブレンド法


ブレンド法は、赤ワインと白ワインを混ぜてロゼワインにする方法で、ヨーロッパではシャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインにのみ認められている方法です。日本で販売されているワインの中には、スパークリングでなくとも赤ワインと白ワインを合わせて仕上げたものもあります。

5.ロゼワインに合う料理

肉料理には赤ワイン、魚料理には白ワインとなんとなく思っていても、ロゼワインを飲む時はどんな料理に合わせたらよいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。

ロゼワインはどんな料理にも合います


ロゼワインは、その製法によって色合いも味わいも様々です。基本的にはどんな料理にも合います。あえてお勧めするなら、色が濃く赤ワインに近い味や香りを持ったロゼワインは、グリルしたチキンやスパイシーな料理と合わせると良いでしょう。一方、色が薄く白ワインに近い味や香りを持ったロゼワインには、魚介類などの前菜や、シンプルな味わいの料理や素材の味を活かした料理を合わせてみましょう。また、ロゼワインは中華料理にも合うとされています。しかし、あくまでも個人の好みですので、色々な料理に合わせてお好みのペアリングを探してみてください。

6.ロゼワインの美味しい飲み方


ロゼワインは、醸造方法によって色やボリュームに違いがあり、タイプにより飲み方もさまざまです。基本的には自分が好きな飲み方をするのが一番ですが、参考までに適温についてご紹介します。

赤ワインのように濃い味わいや渋みのあるタイプを楽しみたい時には、あまり冷やし過ぎず10~15℃くらいで飲むのがおすすめです。辛口の白ワインのようにすっきりとした味わいがするタイプを楽しみたい時には、6~10℃くらいが適温です。ワインクーラーなら15分程、冷蔵庫なら飲む3~4時間から冷やしましょう。

また、ワイングラスはワインのアロマを楽しみたいので白ワイングラスが適しています。

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