ソムリエ一次試験対策

先生、質問です!#01「ヴィンテージ」について

ソムリエ・ワインエキスパート試験対策の疑問にお答え!

この記事では、ヴィノテラスワインスクール ソムリエ・ワインエキスパート一次試験対策講座の授業で受講生の皆さまから実際に出た質問に、アシスタント講師のマイ先生がお答えします!

  目次
  ヴィンテージとは?
  ボルドー、ブルゴーニュにおけるヴィンテージの意味
  ヴィンテージチャートと価格の比較

  まとめ

ヴィンテージとは?


ヴィンテージ=ブドウの収穫年

ヴィンテージとは、そのワインを造るために使われたブドウの収穫年のことです。大体のワインには、ラベルに西暦が表示されています。それがブドウの収穫年=ヴィンテージです。
世界中のワイン産地には、様々なワインに関する規定(=ワイン法)がありますが、例えばEUのワイン法では、ヴィンテージをラベルに表示するためには少なくとも85%、表示された収穫年のブドウを使わなければならない、と決まっています。
このようにラベルに表示され、いつ収穫したブドウから造られているのかを示しているのがヴィンテージです。

「グレートヴィンテージ」って?

ブドウの生育に必要な条件は、適度な温度、日照と降雨があること。
暑すぎたり、曇りがちだったり、雨が多かったり……という年もあれば、晴天にめぐまれて適度に雨が降る年もあり、ブドウの出来栄えはその年の天候に大きく左右されます。
「グレートヴィンテージ」とは、他の年に比べて特に天候に恵まれ、品質の良いブドウが収穫された年のことです。
品質の良いブドウ=バランスよく健全に成熟したブドウから造られたワインは、酸味やタンニン、アルコール度数など様々な観点から、長期熟成のポテンシャルを持つといわれます。

ボルドー、ブルゴーニュにおけるヴィンテージの意味

ここまで、ワインにおける「ヴィンテージ」の意味合いを見てきました。
では銘醸地であるボルドーやブルゴーニュのワインにとって、ヴィンテージはどのような意味を持つのでしょうか?

ボルドーにおけるヴィンテージ

例えばスペインのリオハで「グラン・レセルバ」と呼ばれる赤ワインがあります。
グラン・レセルバ」と表示するには、はオーク樽で最低2年間、ボトル内でも最低2年間、合計で5年間以上は熟成させないと出荷してはならない、と定められています。
ワインにはそのような長期熟成に耐える高品質なブドウが使われているわけですから、消費者は「グラン・レセルバ」というラベル表記から、そのワインの個性を推測することができます。

一方、フランスのボルドーでは、特にそのような熟成の規定はありません。
その代わり、新しいヴィンテージのワインを世界中から集まったワインの専門家が試飲して、熟成のポテンシャルがあるのか、それとも早くから楽しめるワインなのかを判断するのです。
そのような専門家や市場の評価から各シャトーが価格を決めてワインを売り出していきます。

◆ ブルゴーニュにおけるヴィンテージ

ブルゴーニュ地方は、気温の年較差(季節による差)、日較差(昼夜の差)が激しい大陸性気候です。
一般的に大陸性気候の産地はヴィンテージごとの差が出やすいといわれますが、ブルゴーニュも大気の状態が不安定になることが多く、ブドウ樹にも影響を与えます。
ブルゴーニュで深刻なのは気候変動がもたらすリスクです。

暖かい冬によってブドウの芽吹きが早くなり、春先の霜の被害を受けやすくなっているのです。
直近では2021年に収穫量が前年8割減、2020年は6割減、2019年も4割減でした。(2022年は、冷涼な冬で発芽が遅れ、霜の被害を受けることなく無事に芽吹きを迎えられたため、収穫量が75%増となりました!)
熟成のポテンシャル云々の前に、ワインの生産量が確保できないヴィンテージがあるということです。

これにブルゴーニュの人気も重なり、価格は高騰しています。

◆ ヴィンテージチャート

評論家の評価に基づいた”ヴィンテージチャート”と呼ばれるものが作成されています。
味わいや熟成能力を元に、ヴィンテージを100点満点で評価したチャートです。

※https://www.robertparker.com/よりデータを引用してグラフ作成

ピンクの線がポイヤック青の線はコート・ド・ニュイの赤ワインのヴィンテージチャートです。
1990年代以前に比べて、2000年代以降は評価の高い年が続いています。

また現在に近づくにつれて、ヴィンテージによるブレが少なくなっているのがわかります。
これには大きくわけて二つの理由があります。

一つは気候変動。
平均気温が上がってブドウが熟しやすくなり、以前よりも健全なブドウを得やすくなりました。北半球の平均気温は過去30年で約1.25℃上昇しています。

出典:気象庁ホームページ(https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_wld.html)

ちなみにブルゴーニュの指数が極端にさがっている1975年と1981年について、Decanter Vintage Guidesでは次のように評価しています。

「初夏までは天候がよかったが、天候の変わりやすい7月末を経て8月初めに雹(ひょう)が降り、その後9月初旬まで嵐が続き、多くのブドウは腐敗に見舞われた」(1975年)
「春先の霜、7月の雨や8月の雹(ひょう)、収穫期の雨によってブドウが健全に成熟しなかった」(1981年)

Decanter Vintage Guides(https://www.decanter.com/learn/vintage-guides/

もう一つは設備投資。
テクノロジーの進化は、栽培技術や醸造設備にも影響を与えています。

例えばボルドーには大手資本が所有するシャトーが多く見られ、そうしたシャトーは設備投資によってよりよいワインを常に生み出すことができるようになったのです。

ヴィンテージチャートと価格の比較

では実際にヴィンテージの評価が価格に与えるインパクトはどのようなものでしょうか?
1970年~2019年までの約50年にわたるヴィンテージについて、ボルドーからはシャトー・ムートン・ロートシルト、ブルゴーニュからはロマネ・コンティをピックアップしてチェックしてみましょう。

※ヴィンテージチャートはhttps://www.robertparker.com/より引用。
ワインの価格は価格ドットコム(https://kakaku.com/drink/)で検索した最安値を参考にグラフを作成しています。

※濃い色の折れ線グラフがヴィンテージチャート(左の軸)、
薄い色の折れ線グラフがワインの価格(右の軸)を表しています。

いずれもヴィンテージチャートと価格の推移にはある程度の相関性が見られますが、ボルドーの方がヴィンテージ評価による価格の差が大きいことが見て取れます。

特にシャトー・ムートン・ロートシルトの価格で大きな山になっているのは
1982年、1986年、2000年ですが、
ヴィンテージチャートも、
100点中98点、94点、96点と高評価になっています。

またブルゴーニュはヴィンテージチャートとの相関性もありますが、世界中で需要が高まっており希少性が高いことも価格設定に影響しているため、全体的に上昇傾向にあるとみることができます。

まとめ

今回はボルドーやブルゴーニュにおけるヴィンテージについて解説しました。

もう一度、生徒さんからの質問をおさらいします!

ワインの価格は様々な要因によって決まっていますが、ヴィンテージが与えるインパクトも大きいことが読み取れましたね。

これからも様々な角度からワインの疑問にお答えしていくので、どうぞお楽しみに!


VINOTERASのYouTubeチャンネルでは、この記事をより詳しく解説した動画を投稿しています。是非チェックしてみてください!

▼先生、質問です!の動画はこちらから▼

参考文献・参考サイト

(一社)日本ソムリエ協会 教本2023

・ヴィノテラス ワインスクール ソムリエ・ワインエキスパート試験対策 2023 Vol.1


・Robert Parker Wine Advocate

https://www.robertparker.com/

・Decanter

https://www.decanter.com/

・価格.com ドリンク

https://kakaku.com/drink/

・気象庁

https://www.jma.go.jp/jma/index.html

・WINE REPORT

https://www.winereport.jp/

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