ワインの栓にはいろいろな種類がありますが一番使用されているのはコルク栓。これに代わる天然素材は今の所なさそうですが、使用頻度は減ってきています。新しいボトル栓としてはスクリューキャップなどがあります。やはりコルクが良いのか?それとも新しい方法か?
その種類とワインに与える影響について探っていきましょう。
目次
・コルク栓とスクリューキャップのメリット・デメリット
・コルクを語るのに欠かせないブショネについて
・ブショネがほぼないDIAM(ディアム)コルク
・高級ワインでもスクリューキャップを使用する理由
・まとめ



コルク栓の素材とスクリューキャップとのメリット・デメリット
代表的なワインクロージャーの大きな特徴と利点・欠点・役割を把握していきましょう。
①天然コルク
コルク樫の樹皮を厚く剥がして、円筒状にくり抜いたものです。伐採はしませんが、再び採取できるには約10年かかります。ポルトガルとスペインが最大の供給国ですが、近年ではコルクの成形に適した樹齢のコルク樫が減ってきていることもあり高価になります。
【天然コルクのメリット】
・ワインに適度な酸素を供給し、長期熟成に適している
・弾力性があり、瓶口に密着し密閉できる
・「ワインらしさ」「伝統」のイメージとして格調を重視するワインに使われている
【天然コルクのデメリット】
・天然素材のため品質が安定しない
・「ブショネ(コルク臭)」のリスクがある
・コルクの形に個体差があり、密閉性・酸素透過性・弾力性・品質にばらつきがある。
②圧搾コルク
天然コルクを細かく砕いたものコルク樫の樹皮を切り出したものを、合成樹脂などを使って成形したコルク。
成形前に天然コルクの細粒を処理することで、コルク臭の発生率は極めて低く抑えることが出来ます。天然コルクで使用した残りを利用出来るので、比較的安価での生産が可能です。
【圧搾コルクのメリット】
・天然コルクより安価
・サイズや形状を揃えやすく、天然コルクとは異なり、一定の形状
・天然コルクを作る際に出る端材なども利用できるため、コルク資源を有効利用できる
【圧搾コルクのデメリット】
・天然コルクほどの高い密閉性がなく、また呼吸ができないため、長期熟成できない可能性がある
・接着剤を使用するタイプがある
しかし現在のコルク技術は進歩しているため、安物のワインが圧搾コルクを採用しているというわけではありません。
③合成コルク(プラスチックコルク)
ポリエチレンなどの合成樹脂を成形して作ったクロージャーで、樹脂製コルクとも呼ばれます。発泡性の素材を使い、一定の酸素透過性を持たせたものもあります。材料費は比較的安くデイリーワインや短期保存用のワインに使用されています。
【合成コルクのメリット】
・コルク臭のリスクがない
・天然コルクは天然素材なので、個体差がある一方、品質が比較的均一。
・安価で安定した品質を維持
・抜栓の際に途中で崩れにくい
【合成コルクのデメリット】
・天然コルクのような長期熟成には適さない
→酸素透過率を設計できるものもある
・プラスチックの環境問題が懸念される
→近年は植物由来素材やリサイクル可能な素材を使った合成栓なども開発
④スクリューキャップ
ペットボトルのキャップのように手で回して開けられる金属製の栓です。熟成には向かないとされていましたが近年では酸素透過率がコントロールできる熟成タイプにも使われています。
【スクリューキャップのメリット】
・開栓が簡単⇔閉栓もでき保存可能
・密閉性が高く、品質が安定しやすい
・ブショネのリスクを大幅に減らせる(酸化抑制・香りの保持)
【スクリューキャップのデメリット】
・消費者のイメージとして安価なワインの栓というイメージがある
スクリューキャップといえば、オーストラリアやニュージーランド のワインに多く、特にソーヴィニヨン・ブランなどの白ワインにはフレッシュな果実香を残すためにスクリューキャップが非常に一般的に使用されています。
⑤その他クロージャーもある
上記のワイン栓は代表的な種類です。他にもクロージャーはあります。
ガラス栓:その名の通りガラス製の栓です。ガラス製ストッパー2004年ごろから販売されている「VINO-LOK」が有名です。高級感があり、再利用可能でコルク臭も発生しません。欠点はコストが高く、長期熟成には向かない場合があります。
ZORK:コルク栓でもなく、スクリューキャップでもないプラスチック製で手で開閉できる新しいタイプのクロージャー。スパークリングワイン用の栓です。2002年にオーストラリアのZORK社が開発しました。
日本では都農ワインは2007年に日本で初めてZORKを導入し、丹波ワインでは現在もZORK栓を使用したスパークリングワインがあり、開栓後に再栓する方法も紹介されています。
コルクを語るのに欠かせないブショネについて

コルクが原因でワインに不快な香りが生じる事を「ブショネ」といいます。
フランスでコルクを意味する「ブション(bouchon)」といい、その形容詞形がブショネ。主に天然コルクで発生しやすい現象です。
ブショネの原因
天然コルクには多数の微生物が殺菌に使われる塩素を代謝させます。そこでTCA(トリクロロアニゾール)という原因物質を生み出すのが原因。又、コルク樫自体にもTCAが含まれていることもあります。
ワイン風味が著しく損なわれる香りを発生させて「湿ったダンボール」や「カビ」のような匂いがすると言われています。
このTCAは微量でも多くの人が感じることが出来る物質。又、同時に他の香りや果実味などを減退させる作用もある非常にやっかいな物質です。
現代の技術では100%ブショネを無くすことは不可能とされています。
又、醸造施設が原因物質に汚染されてブショネが起こることもあります。コルク由来であれば1本で済みますが、生産ロットごと汚染されるので大問題です。
ブショネの発生確率
近年ではブショネにあたる確率は2〜3%と言われています。
多くのワインが天然素材のコルク使用を使用している以上ブショネに当たるのは起こりうる事故と考えるのがいいと思います。
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ブショネがほぼないDIAM(ディアム)コルク

原因物質をほぼ除去したコルクがあります。それがDIAM(コルク)です。
これは圧搾コルクの仲間で、原料のコルクに特殊な二酸化炭素を用いて原因物質を除去するというものです。
DIAMコルクの有用性
2013年に。Full Circle Wine Solutions(サンフランシスコを拠点に、世界的にワイン・スピリッツの教育活動を行う会社)とマスターソムリエであるEvan Goldstein氏が中心となって企画された行われたワイン栓のちがいによる比較評価では熟成も期待できると高い評価を得ました。
高級ワインにおいてはコルクを使用するのがいいと考える生産者が多くその中ではDIAMコルクはイメージ的にも熟成という観点からも注目されているコルクです。
DIAMコルクの種類
DIAMコルクをよく見てみると小さく数字が書いてあります。これはコルクの耐用年数です。
1,3、5、10、30とありコルクの密度の違いで耐用年数が変わります。
高級ワインでもスクリューキャップを使用する理由

スクリューキャップは低価格帯のワインのイメージがありました。
しかし近年では、ブルゴーニュのジョセフ・ドルーアンやフランス・ボルドー地方を代表する著名なワインメーカー「ドゥルト」などの名門がスクリューキャップを使用しています。
フランスの名門も使用するスクリューキャップとはどのような利点があるのでしょうか?
ブショネのリスクが少ない
コルクが主な原因のブショネ。スクリューキャップは金属製の為、大切なワインをブショネのリスクから守ってくれます。
長期熟成が可能
以前は酸素浸透率が安定していなかったようですが、最近ではコントロールが可能です。好みの酸素浸透率が選べる様になりました。
消費者が扱いやすい
ワイン消費者が幅広くなったことでより扱いやすさが求められるようになりました。
開栓や閉栓が容易、ボトルが立てて保管ができるなど消費者のメリットが多くあります。ヨーロッパでも扱いやすいスクリューキャップが普及しているのは自然な流れでしょう。
まとめ
ワインのクロージャーには色々な種類があります。コルクを使用する以上、ブショネは起こりうる問題です。しかし様々な技術進歩により確率は格段に下がってきています。
どんなワインを造るかによってふさわしいクロージャーを選ぶ。これもワイン造りの課題のひとつです。ワイン栓にも注目して飲むのもまた面白い飲み方ですね。
